第2回ライトニングCS決勝戦:ドレディアvsスリービー
第2回ライトニングCS 決勝戦
ドレディア(カプコケコ)vsスリービー(はらくらぶ)
東京の大型チーム戦で有名な所と言えば、やはりプレステージCSだ。そこから派生して生まれたのが、ライトニングCSである。
今年の7月に立ち上がってからは、早くも3回目までの開催が決定しており、とても勢いづいているCSであると言っても過言ではないだろう。
そんなライトニングCSもいよいよ大詰めの決勝戦に差し掛かっており、手に汗握る場面である事に違いない。
そんな決勝戦のフィーチャーエリアに現れたのは、チーム"はらくらぶ"のスリービーだ。
チームメイトの"はら"、"いわな"は強豪メンバーであり、直近では同メンバーに他2名を加えて参加した、第5回プレステージ5人チーム戦にてタイトルを獲得している。他のCSでも上位入賞が多数ある事から、筋金入りのトーナメントプレイヤーで結成されたチームなのだ。
無論スリービーも埼玉県の中でも有数な強豪の1人であり、安定してCSの上位に位置する事からも一目を置かれているだろう。
また、現在は活動休止中だが、"Team Heaven's Dice"の一員でもあり、同チームにおいてエースの1人。
対するドレディアが率いるチーム"カプコケコ"は、"CH"、"リディア"を含めた、非常に若々しいチームメンバーだ。
CHは超ガチCSで決勝トーナメントに2回進む事で、ポイント倍率4倍の恩恵で効率良くランキングポイントの獲得に成功しているし、
リディアはドレディアとチームを組んで、2015年おやつCS東北で準優勝の入賞経験がある事から、女性ながらも実力派のプレイヤーなのだろう。
チーム戦なのでメンバーを簡単に紹介する運びとなったが、焦点をフィーチャー選手同士に戻していくと、黙々と念入りにシャッフルを繰り返し、準備を進めている。
そんなクールな2名の試合を、皆さんへお届けしていきたい。
1本目
じゃんけんでドレディアの先行が決定。
お互いに2ターン目まではマナをセットするのみだが、ドレディアは"メンデルスゾーン"、"リュウセイ・ジ・アース"の順でマナセットしていき、超次元ゾーンに置かれているカードも確認すれば、赤緑モルトNEXTの雰囲気が感じ取れる。
対するスリービーは、"テック団の波壊Go!"、"嘘と盗みのエンターテイナー"の順でマナセットしており、互いに多色タップインを処理していく流れだ。
ドレディアのターンに移り、"フェアリーの火の子祭"をマナセット後、2枚目の"フェアリーの火の子祭"で"リュウセイ・ジ・アース"をマナに置く。
"単騎連射マグナム"をマナセットしたスリービーも、負けじと"リロード・チャージャー"で"蒼き団長 ドギラゴン剣"を捨てつつ、1ドローしてターンを返す。
互いにしっかり初動を引けている展開だが、見えてるカードや動きからして、スリービーのデッキはクローシスドギラゴン剣と見て間違いないだろう。
そんなドレディアは、"伝説のレジェンド ドギラゴン"をマナセット後、"スクランブル・チェンジ"を唱えつつ、"メガ・マナロック・ドラゴン"を召喚。
いわゆる「スクチェンマナロ」は、とても強力なシナジーであり、両カードは現在殿堂入りしているが、これらが無制限だった頃に開催された"DMGP3rd"にて、よく見かけた光景の1つだ。"FORBHDDEN STAR"の左上に置かれた封印を剥がしつつ、相手のマナを3枚縛りアタックせずに終了。
これはスリービーにとって苦しいアクションだが、冷静に"Mの悪魔龍 リンネビーナス"をマナセットし、静かにターンを返す。
余裕が出来たドレディアは、マナセット無しから"フェアリーの火の子祭"で"熱血龍 バトクロス・バトル"をマナに置き、更に"メガ・マナロック・ドラゴン"でマナを3枚縛りつつシールドへ向かわせるが、シールドトリガーを踏む事なく安全にターンを終えた。
じわじわと追い込まれて行くスリービーは、少考の末に"メガ・マグマ・ドラゴン"をマナセットし、モルトNEXTデッキに対し有効打になり得ないカードを切っていく。
そこに追い打ちをかけるかの如く、ドレディアはマナセット後、"超戦龍覇 モルトNEXT"を召喚して、"FORBHDDEN STAR"の左下に置かれた封印を剥がしつつ、"爆熱天守 バトライ閣"を設置する。
そして、"メガ・マナロック・ドラゴン"でマナを縛りながらアタックを仕掛けるも、"爆熱天守 バトライ閣"の効果は不発に終わり、シールドブレイクの処理に入ると、"テック団の波壊Go!"がトリガーし、"超戦龍覇 モルトNEXT"が破壊される。
それでも苦しいスリービーは、"Dの博才 サイバーダイス・ベガス"をマナセット後、"裏切りの魔狼月下城"を放ち、ハンデスで僅かに抵抗してみるも、返しのターンに"爆熱天守 バトライ閣"から登場する、ドラゴン達を止める余力は残っていないのだった。
ドレディア(○)vsスリービー(×)
「前日は別のCSでハンデスを使用してみた結果、デッキパワーが低いのが難点な事に気付いたので、デッキパワーが高い赤緑モルトNEXTを使用しました」
ドレディアの、デッキ選択の経緯だ。
確かに"超戦龍覇 モルトNEXT"から"闘将銀河城 ハートバーン"を設置して攻撃を仕掛けてみれば、アッサリ勝ててしまうゲームもある位だし、一部のプレイヤー間では"戦略的ハートバーン"なんてワードがある位だ。
要は、"走り得"なのである。
先の試合でもそうだったように、"熱血天守 バトライ閣"からの高打点の展開も狙う事が出来るのが、モルトNEXTの魅力の一つである事は間違いない。
更にドレディアは自身のコミュニティを「秋葉キッズ」と表現しており、察するに東京の秋葉原で活動する事が多いと伺える。
筆者自身も、強い高校生達が秋葉原に集い、日々練習していると耳に挟んだ事があり、きっとそれが「秋葉キッズ」なのだろう。
2本目
負けた方が先行のルールなので、スリービーの先行からゲームが始まる。
"Mの悪魔龍 リンネビーナス"、"音精ラフルル"、"蒼き団長 ドギラゴン剣"をマナセットしていくのみで、ゆったりとした立ち上がりだ。
対するドレディアも2ターン目まで"蒼き団長 ドギラゴン剣"、"無双竜騎ミツルギブースト"をマナセットするのみだったが、3ターン目には"次元龍覇 グレンモルト「覇」"をマナセットしてから、"フェアリーの火の子祭"で順当にマナブースト。
返しのスリービーは"音精ラフルル"をマナセットして、即ターンを終えた。
"フェアリーの火の子祭を"マナセットしつつ、もう一度"フェアリーの火の子祭"を唱えるドレディアは、少考してから"フェアリー・ギフト"をマナに置いてターンを返す。
火文面をマナに置かなかった事を確認したスリービーは、"嘘と盗みのエンターテイナー"をマナセットし、ここを好機と見たか"裏切りの魔狼月下城"を発動!
「このマッチアップで、"裏切りの魔狼月下城"を打たれるとは思ってなかったです。(永遠を)マナセットする必要がなかったので、ハンドキープしていましたけど」
上記は対戦後にドレディアの口から漏れた話だったのだが、ハンデス後に現れたのは"永遠のリュウセイ・カイザー"2体であり、ターンを貰ったドレディアは"リュウセイ・ジ・アース"を召喚、"FORBHDDEN STAR"の左上に置かれた封印を剥がしつつ、cip効果でトップのカードを手札に加える。
どっしりと構えたドレディアに対し、スリービーは"Dの博才 サイバーダイス・ベガス"を設置して、ターン終了時に効果で1ドロー。
これは強力なD2フィールドであり、ゲームが長引けば長引くほど威力が増していく。スリービーとしては、出来る限り試合を伸ばしたい所だろう。しかし、こればかりは自分の思い通りにならないこともある。
ターンが返ったドレディアの手札から、この状況では最適解かつ非情とも言える、"超戦龍覇モルト NEXT"が召喚され、"熱血天守 バトライ閣"を設置。
"永遠のリュウセイ・カイザー"の効果でスピードアタッカーをまとった"超戦龍覇 モルトNEXT"がアタックしつつ、"熱血天守 バトライ閣"の効果でトップを捲ると"熱血龍 バトクロス・バトル"が2体目のドラゴンとして登場し、"バトライ閣"を龍解。
龍解した"爆熱DX バトライ武神"のアタックを許してしまえば、ドラゴンの大量展開を避ける事は不可能に等しい。
既に過剰と言える打点を作られており、何とか耐え切って逆転したいスリービーだが…ダブルブレイクを受けてみても、有効打になるシールドトリガーは現れない。
妨害がなく動き始めた"爆熱DX バトライ武神"の効果から、ドラゴンを3体キッチリと呼び出す事に成功したドレディアは、駄目押しとも言える数の暴力で、マッチの勝利をもぎ取る事に成功したのだった。
ドレディア(○○)vsスリービー(××)
「今日は、"蒼き団長 ドギラゴン剣"が使えるデッキを使いたかったんです。強そうなデッキリストを見付けたので、クローシスドギラゴン剣を使ってみました」
そうコメントするスリービーは、日頃から一つのデッキに拘らず、多種多彩なデッキを使用している。
つまり環境に合わせて「安定して勝ちやすいデッキ」を選択している事が殆どで、その選択が安定した結果に繋がっているのだろう。
そんな強者を若き勢いで圧倒したドレディアだったが、チームメンバーは敗北してしまい、惜しくも準優勝の結果となった。
チーム戦の醍醐味の一つは、やはりチームメンバーの存在である。
自身が敗北してしまっても、チーム単位では勝利になる可能性があるし、辛くても話を聞いてくれる人がすぐ近くに存在するからだ。
逆に言えば、自身が勝利してもチーム敗退となってしまった場合、とても悔しい思いをする時もあるだろう。
そんな悔しい思いを乗り越えて日々練習を繰り返してこそ、より強いプレイヤーへ成長していくのだと、筆者は信じている。
Writer:ミキプル