第8回プレステージCS 3位決定戦 千葉ビート vs shio
第8回プレステージCS
3位決定戦 千葉ビートvs shio
CSもいよいよ終盤だ。
おまけに、ランキング集計の期日も近付いている。
100位以内に入り込めば、DMGP5thのbyeを獲得出来るので、byeを狙う選手はより一層気合が入るところ。
そんな中でフィーチャーエリアに現れたのは、どちらもランキング上位で争う"千葉ビート"と"shio"だ。
元々面識がある為か、着席した途端から和やかなムードであるが、その反面トラッシュトークも全開だ。
「最近はツイッターで戦ってました!凄く大変でした(笑)」
そう笑いながら発言したのは、千葉ビート。
かつてはチーム"ビート一閃"の長であり、相当数のメンバーを抱えていたが、自身のツイッターで解散を宣言した。
そうは言ったものの、現在も有志達とチームを組んで、コンスタントにCSの上位入賞を繰り返していることから、人望は厚いと言えよう。
彼がいる限り、"ビート一閃"は不滅なのだろう。
"FORBIDDEN STAR ~世界最後の日~"をセットして、互いにシャッフル。
ガッチリ握手を交わしてから、3位決定戦が始まる。
1本目
千葉ビートの先行。
"終断γドルブロ"、"リロード・チャージャー"と続けてマナセットする千葉ビートに対し、"逆転のオーロラ"、"攻守の天秤"をマナセット後、"一番隊 クリスタ"を召喚するshio。
返しに千葉ビートは、"ボーンおどり・チャージャー"をマナセットして、"リロード・チャージャー"を唱え、"S級不死 デッドゾーン"を捨てつつ1ドロー。
対するshioは、またも"攻守の天秤"をマナセット後、"ベイBジャック"を召喚し、続けて"一番隊 クリスタ"の効果で1コスト軽減しながら"緑知銀 フェイウォン"を召喚し、自身の効果でタップして1ドロー。
そして、"一番隊 クリスタ"のコスト軽減を使いつつ、自身をタップし、"DG ~裁キノ刻~"を追加した。
"超次元リバイヴ・ホール"をマナセットし、強力な制限カードの一つである"絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート"を召喚。
まず"FORBIDDEN STAR ~世界最後の日~"の左下の封印を墓地に送ると、"終断δ ドルハカバ"が墓地へ。
更に"絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート"の効果で山札の上を墓地に送ると、"禁断V キザム"だったので、これを墓地から手札に戻した。
そして、"絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート"で"一番隊 クリスタ"へアタックを仕掛けると、墓地にある"S級不死 デッドゾーン"をS級侵略させ、効果で"ベイBジャック"を破壊。
shioは、"緑知銀 フェイウォン"の効果を発動し、自身をアンタップさせて攻撃対象を自身へ移し替えたので、"一番隊 クリスタ"を守るが、ターンを貰うも"未来設計図"をマナセットしてターンを返すのみ。
テンポをとった千葉ビートは、"リロード・チャージャー"をマナセットして、墓地から"終断δ ドルハカバ"を召喚し、"FORBIDDEN STAR ~世界最後の日~"の右上の封印を墓地へ送ると、またも"終断δ ドルハカバ"が墓地へ。
shioは"デスマッチ・ビートル"を追加するのみと、後続になり得るカードが引けず、ジリ貧な状況である。
千葉ビートは"禁断V キザム"マナセットして、墓地から2体目の"終断δ ドルハカバ"を召喚し、"FORBIDDEN STAR 世界最後の日~"の左上の封印を墓地へ送り、攻撃はせずにエンド。"終焉の禁断 ドルマゲドンX"の禁断爆発まで、待つ様子だ。
shioはやや遅れて"龍装者 バーナイン"を引き込むと、それを召喚しつつ、効果で1ドローしてターンを返す。
ここで千葉ビートはマナセット無しで、手札から"終断δ ドルハカバ"を追加し、"終焉の禁断 ドルマゲドンX"の禁断爆発を成功させる。
すると"DG ~裁キノ刻~"の置き換え効果が発動し、結果としてどのクリーチャーも封印されずに済んだshioだが、千葉ビートの場には十分な打点が揃っている。
特に逆転のSTが見えない事を確認したshioは、敗北を認め2本目に託す事となった。
千葉ビート(○) vs shio(×)
「千葉ビートさん、パパオーラ全開ですよね(笑)」
「(週末は)家族サービスをした方が、いいんじゃないですか?(笑)」
妻子持ちの千葉ビートへそう問いかけるのは、shio。
多少負け惜しみにも聞こえるが、仲が良いからこそ発言出来るであろうワードである。
どうやら、準決勝で悔やむプレイミスをしてしまい、惜しくも3位決定戦へ進む事になってしまったようだ。
shioと言えば、2013年度の日本一決定戦で、関東大会Aブロックの代表として準優勝を果たしており、その時に使用していたデッキはクローシス墓地ソース。墓地ソースの切り札の一つは"暴走龍 5000GT"であり、現在のCSで配られる優勝賞品の一つである事は、皆さんもご存知だろう。
そして一時期はDMから離れていたが、復帰後はブランクを感じさせないほどに結果を出し続けている強豪なのだ。
「試合内容はもちろんですが、僕から千葉ビートさんへ対する発言は、ぜひミキプルさんにカバレージとして残して貰いたくて」
強豪プレイヤーからそう言われるのは、ライター冥利に尽きるものである。
2本目
負けた方が先行のルールなので、shioの先行。
"水上第九院 シャコガイル"、続けて"ジャスト・ラビリンス"をマナセットして、"一番隊 クリスタ"を召喚したshioに対し、
"リロード・チャージャー"を2枚続けてマナセットした千葉ビートを見ると、チャージャー呪文が嵩張り、マナのタップイン処理を優先した様子だ。
shioは"DG ~裁キノ刻~ "をマナセットし、"緑知銀 フェイウォン"を召喚、効果で自身をタップして1ドロー。
千葉ビートは"S級不死 デッドゾーン"をマナセットして、"ボーンおどり・チャージャー"を唱え、"嘘と盗みのエンターテイナー"、"終断α ドルーター"を墓地へ落とす。
対するshioは"デスマッチ・ビートル"をマナセット後、"黙示賢者ソルハバキ"を召喚。
マナの"DG ~裁キノ刻~"をマナから戻し、"ジャスト・ラビリンス"をマナセットした後、"DG ~裁キノ刻~"を追加。
ターンが返ると、"爆霊魔タイガニトロ"をマナセットし、"ぼーんおどり・チャージャーで"S級不死 デッドゾーン"と"復讐 ブラックサイコ"を墓地へ落とした千葉ビート。
ここまでは、非常に落ち着いた展開だ。
shioは"蛇手の親分ゴエモンキー!"をマナセットし、"ジャスト・ラビリンス"で自身のクリーチャーを3体タップして、効果で3ドロー。増えた豊富な手札から、"ベイBジャック"、"デスマッチ・ビートル"を追加。
やはり、ここで大きく動くのは千葉ビート。
マナセット無し、手札から"終断δ ドルハカバ"を召喚し、"FORBIDDEN STAR ~世界最後の日~"に置かれた左上の封印を外し、またも墓地へ落ちた封印は"終断δ ドルハカバ"。この男は、何回連鎖させれば気が済むのか。
まずは封印を外した時の効果で、"黙示賢者ソルハバキ"を破壊。
"終断δ ドルハカバ"を"DG ~裁キノ刻~"へアタックさせると、手札と墓地からそれぞれ"S級不死 デッドゾーン"をS級侵略させ、"一番隊 クリスタ"と"ベイBジャック"を破壊しつつ、バトルを解決。
たった1ターンで、4体ものクリーチャー除去に成功したのだ。
大抵のプレイヤーなら苦痛の表情を浮かべても可笑しくないのだが、ここでも冷静なshio。
マナセットなしから、"龍装者バーナイン"を召喚しつつ1ドロー。
shioに体勢を立て直される前に、更に優位に立ちたい千葉ビート。
マナセットせず、墓地から"終断δ ドルハカバ"を召喚し、"FORBIDDEN STAR ~世界最後の日~"の左下に置かれた封印を外す。
"終断δ ドルハカバ"をシールドへアタックさせると、手札から"S級侵略 デッドゾーン"を侵略。"龍装者バーナイン"を破壊しつつ、トリプルブレイクしてターン終了。
返しに"ジャスト・ラビリンス"をマナセットして、"黙示賢者ソルハバキ"を召喚、"ジャスト・ラビリンス"を手札に加えて、"龍装者バーナイン"をマナセット。
そして、"ジャスト・ラビリンス"の効果でクリーチャーを3体タップして3ドローしてから、"デスマッチ・ビートル"を追加するshio。
千葉ビートは、またもマナセットせず、"魔狼月下城の咆哮"を放ち、"緑知銀 フェイウォン"、"デスマッチ・ビートル"を破壊。
そして、"S級不死 デッドゾーン"で、"黙示賢者ソルハバキをアタックして破壊。
かなり厳しいshioだが、あくまでも冷静に"龍装者バーナイン"、"緑知銀 フェイウォン"を追加し、改めて手札と場の充実を図る。
ターンが返り、千葉ビートから再度、"魔狼月下城の咆哮"を打たれ、場を突破されてしまうと、shioに勝ち筋は残されていないのだった。
千葉ビート(○○) vs shio (××)
3位も4位も獲得ポイントに相違はないが、順位は3位と4位の相違がある。
準決勝で失態をしてしまったshioとしても、ここで勝ちを拾いたかった所だろう。
これは昔からの宿命とも言えるが、闇と火の組み合わせと、光と自然の組み合わせでは、破壊能力に優れた前者に分があるのは間違いない。
ただ、それ以上に千葉ビートがノリにノっているのだ。
封印から外れるカードも、それが墓地から利用出来るカードであれば、実質的に手札が増えているのと変わりない。
つまり、1本目の試合のように、封印から外れたカードで行動が連鎖する事もあり得るのが、闇火ドルマゲドンである。
shioが使用した光自然メタリカは、システムクリーチャーを利用したシナジーで超展開するデッキなので、キーパーツを破壊されたり、そもそも引きこめないとジリ貧になってしまいがちだ。
そんな熱い3位決定戦も幕を閉じるが、これからもランキング争いは続いていく。
かなり先の話になるが、ランキング上位に位置する彼らは上位の特典で、日本一決定戦の参加権利を獲得出来る可能性も充分にある。
大舞台で、彼らの更なる活躍を見れるかも知れない。
今後も楽しみにしつつ、これからも動向を追っていきたい。
Writer:ミキプル