第3回板橋CS決勝戦 ラギヒ vs shio
第3回板橋チャンピオンシップ 決勝戦
ラギヒ vs shio
Writer:ミキプル
チーム戦の醍醐味と言えば、やはり好きなメンバーを集めて、共に優勝を目指せる部分だろう。
販売から15年が経ち、圧倒的にカードプールが増えたデュエルマスターズは、環境に存在するメタデッキの数も豊富だ。
それが故に相性差も生まれているため、個人戦で安定した勝率を叩き出すのは至難の技。
逆にいえば、チーム戦は全員が全勝する必要がないので、いい意味で安心して対戦に挑むことができる。
「またカバレージを描いて頂けるなんて」
チーム戦を愛する男の1人であるshioは、そうコメントをしつつ、フィーチャーテーブルに着席した。
対する相手はラギヒ。
2人の会話に耳を傾けてみると、"カード & CARD 東陽店"の常連であり、そこで共にデュエルマスターズを楽しんでいた旧知の仲でもあるという。
彼らはいわゆる"東陽勢"であり、
かつて、下町CSを立ち上げたデスクルト氏もその一員で、現在も"DM甲子園"を開催して、界隈の盛り上がりに貢献している。
出会った頃のラギヒは中学生で、shioは大学生とのことだが、今はお互いに社会人。時間というものは、お互いの立場を変え、そして人を成長させるのだ。
1本目
じゃんけんに勝利したラギヒは、2ターン目に"黙示賢者ソルハバキ"を召喚。対するshioは、"一なる部隊 イワシン"を召喚して迎え撃つ。
2体目の"黙示賢者ソルハバキ"を召喚して、マナから"ミラクル1 ドレミ24"を回収。1体目の"黙示賢者ソルハバキ"をアタックさせると、"ミラクル1 ドレミ24"へ革命チェンジさせ、効果は使用せずシールドを1枚割ってターン終了。
shioは"一なる部隊 イワシン"を"プラチナ ワルスラS"に進化させ、"ミラクル1 ドレミ24"に攻撃を仕掛ける。
効果で3枚引いてから、"一なる部隊 イワシン"を捨てると、捨てた時の効果で1枚引き、"音精 ラフルル"を捨てつつ、バトルを解決して"ミラクル1 ドレミ24"を破壊。
"黙示賢者ソルハバキ"と"制御の翼 オリオティス"を追加したラギヒに対し、"戦略のD・H アツト"を召喚して、効果で2枚引いてから、"爆撃男"を含めた2枚のカードを捨てる。
"爆撃男"の効果で、"黙示賢者ソルハバキ"を破壊。更に"戦略のD・H アツト"を召喚して、同じように"爆撃男"を含めた2枚のカードを捨てつつ、2体目の"黙示賢者ソルハバキ"も退かした。
"プラチナ ワルスラS"の効果で手札と墓地を整えつつシールドを2枚割ってターンを返すと、"制御の翼 オリオティス"が追加されるのみだ。
"【問2】ノロン"を召喚し、効果で2枚のカードを捨てつつ、"プラチナ ワルスラS"に進化させてから、1体目の"プラチナ ワルスラS"でシールドをブレイクしてターン終了。
ラギヒは"タイム1 ドレミ"と、シンパシーで"赤攻銀 マルハヴァン"をバトルゾーンに送り込むが、shioは反撃を許さない。
彼の代名詞とも言える、"暴走龍 5000GT"が邪魔なブロッカーを退場させると、ラギヒを守る術は残されていないのだった。
ラギヒ(×) vs shio(◯)
光水サザンルネッサンスと、水闇火墓地ソースのマッチアップである事が確認出来た。
2013年に開催された勝1グランプリの関東大会では、水火墓地ソースを使用して日本一決定戦の切符を獲得。そこでも闇を加えた墓地ソースと共に、決勝戦の舞台で最高の勝負を経験したshio。
水闇自然シューゲイザーとのマッチアップだったが、シールドトリガーが現れず、さらに水マナが3枚以上置けていなかったため、"疾封怒闘 キューブリック"の効果を使用出来ず、あと1歩及ばなかった。
当時から数年の時間が経過したが、進化した墓地ソースと、そして最高のチームメンバーと共に、CSの決勝戦へ登場したのだ。
2本目
負けた方が先行なのでラギヒから対戦が始まり、ファーストアクションは、shioの"一なる部隊 イワシン"の召喚。
ラギヒが"奇石 タスリク"を召喚した返しに、2体目の"一なる部隊 イワシン"を召喚するshioは、ルーターを引けずにやや苦しい所か。
"制御の翼 オリオティス"、次のターンには"タイム3 シド"を召喚し、システムクリーチャーで場を固めていく。
ようやくルーターを引き込めたshioは、"【問2】ノロン"を召喚して、効果で2枚引き、捨てた"一なる部隊 イワシン"の効果で1枚引き、1枚捨てる。そして、役目を終えた"【問2】ノロン"の上に"プラチナ ワルスラS"を重ね、シールドを向かわせると、ラギヒはこれをスルー。
"プラチナ ワルスラS"の効果で3枚引いてから"一なる部隊 イワシン"を捨て、更に墓地の枚数と手札を充実させつつ、シールドを2枚割ることに成功。
続けて1体目の"一なる部隊 イワシン"をシールドに向かわせると、ニンジャストライクで"光牙忍ライデン"を送り出し、効果で2体目の"一なる部隊 イワシン"タップさせ、攻撃をスルーしてシールドブレイクを許可する。
シールドの枚数が減った代わりに、手札を充実させたラギヒの反撃が始まる。
マナセットしてから、"タイム1 ドレミ"、予言者クルト"を送り込むと、シンパシーを利用した"共鳴の精霊龍 サザン・ルネッサンス"を着地させると、更に手札を充実させた。
タップしているクリーチャーをバトルで捌いて、ターンを終えるラギヒ。
"戦略のD・H アツト"を召喚し、墓地を肥やしてから、マナコストが下がった"暴走龍 5000GT"でバトルゾーンの掃除を図ったが、"制御の翼 オリオティス"の効果でボトムへ退場させられた。
"制御の翼 オリオティス"を2体送り込むと、お返しと言わんばかりに"暴走龍 5000GT"が再登場。先ほどと同じく、邪魔なクリーチャーを掃除する代わりに、ボトムへ退場頂く。
"異端流し オニカマス"と、G0で"百万超邪 クロスファイア"を送り出したshioは、最後のシールドを割ってターンエンド。
後がないように見える状況だが、ラギヒは豊富な手札から展開を開始する。
マナセットしてから、"黙示賢者ソルハバキ"、"タイム1 ドレミ"、"希望の親衛隊ラプソディ"、シンパシーを利用した"赤攻銀 マルハヴァン"を召喚。
"共鳴の精霊龍 サザン・ルネッサンス"をシールドへ向かわせると、"ミラクル1 ドレミ24"に革命チェンジさせ、効果で"ダイヤモンド・ソード"を発動。
シールドトリガーに期待するshioだが、シールドが全て割られ、ダイレクトアタックを宣言されると静かに盤面を片付けた。
ラギヒ(×◯) vs shio(◯×)
「イワシンしか引けねえ(笑)」
「序盤にルーター引けなかったねぇ」
軽い談笑をしつつも、素早く次の勝負の準備を進める。お互いにとって感慨深いマッチアップな事は間違いないものの、泣いても笑っても、次のゲームで勝利が決まる。
3本目
じゃんけんに勝利したshioの先行。
"【問2】ノロン"を召喚して手札と墓地を充実させると、返しに"制御の翼 オリオティス"が登場。
次のターンに"プラチナ ワルスラS"へ進化させ、効果で手札と墓地を肥やしつつ、シールドを2枚割ってエンド。
果敢に攻め立てられるラギヒは、2体目の"制御の翼 オリオティス"を追加するのみ。
更に"戦略のD・H アツト"を召喚して、"一なる部隊 イワシン"を含めた2枚を捨てた事で、更に墓地を肥やしていく。続けて"プラチナ ワルスラS"の効果を使いつつ、シールドを2枚割った。
"コアクアンのおつかい"で手札を増やし、"赤攻銀 マルハヴァン"を追加したラギヒに対する、shioの猛攻は止まらない。追加の"戦略のD・H アツト"で、"爆撃男"を含めた2枚を捨て、"爆撃男"の効果で"赤攻銀 マルハヴァン"のパワーをマイナス。
そして、コストが下がった"暴走龍 5000GT"で場を掃除にかかる。"赤攻銀マルハヴァン"の効果で、1体目の"制御の翼 オリオティス"を身代わりにして、自身を守る。2体目の"制御の翼 オリオティス"は破壊されるが、効果で最強のアウトレイジをボトムへ。
G0で"百万超邪 クロスファイア"を送り込み、"プラチナ ワルスラS"の攻撃はスルーして、"百万超邪 クロスファイア"の攻撃はブロック。
ラギヒは"タイム1 ドレミ"を2体展開して、手札と場の拡充を図るものの、shioは自身の代名詞とも言える"暴走龍 5000GT"を2体叩きつけ、決勝戦に決着をつけた。
ラギヒ(×◯×) vs shio(◯×◯)
ラギヒは「サザンオールスターズ」なるコミュニティを形成しており、shioもその一員だそうだ。
光水サザンルネッサンスを好むメンバーが揃ってるため、本日のチーム戦もオールスターズという事で、今回チームメイトの阿保ちゃん、悟り神と同じデッキリストを持ち込んでいることから、チームワークの良さが伺える。
shioのチームメイトも、千葉県で"カードショップHERO"を営むえーじと、神奈川県の上位ランカーである、しあとチームを組み、結果として優勝する事が出来た。
「まだまだ負けないよ」
貫禄を見せたshioは、そんなサザン愛好家にコメントする。今はキャリアや経験値の差を伺えるが、いずれラギヒから、こんなコメントが貰えるかも知れない。
「やっと、shioさんを超えたよ」