第7回プレステージCS決勝トーナメント1回戦 てぃーやまvsしゅーいち

7プレステージCS 決勝トーナメント1回戦


B てぃーやま(TLP)vsしゅーいち(workmen ~働く3人の戦い~)


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予選5回戦を勝ち抜いたチームのみが集まった決勝トーナメント、その第1回戦だ。


ベスト16という表現も出来るので、ここで次に駒を進める事が出来れば、ベスト8に入る事で多々の恩恵が待っているのである。


そんな重要なシーンとも言える所で、フィーチャーエリアに現れたのはてぃーやまだ。


てぃーやまと言えば、いわゆる関東古参勢の1人であり、みんなの兄貴分だ。2007年の夏季に開催された公式大会"サムライリーグ関西大会"の決勝戦で、当時の身分は学生同士だったが、現在はカードショップWINNERS 代表のパタ@いっせーと激突し、圧倒的なゲーム展開で優勝の座を獲得している。


翌年に開催されたエリア公式大会の"ギャラクシーマスター"でも、複数の地区でベスト8入りしているし、別ゲームにはなるが、賞金制のカードゲームや、アニメ系カードゲームでも優勝や上位入賞の経験がある事から、生粋のカードゲーマーと言えよう。


対するしゅーいちは、東京の東陽勢の1人であり、"DMGP4th"で準優勝を果たし、現在もランキング上位を保持しているスタープレイヤーだ。


2013年に各地で開催された、"1グランプリ"の優勝者が集った"日本一決定戦"の準優勝者かつ、現在ランキング上位に位置するシオもチームメンバーの一員であり、今回も優勝を目指して戦って来ている様子である。


そんなしゅーいちも、今年は日本一決定戦に参加出来る権利があるので、シオを追い抜く事も夢ではないだろう。



1本目


先行はてぃーやま。

"時の法皇 ミラダンテXII""静寂の精霊龍 カーネル""テック団の波壊Go"をマナセットするてぃーやまに対し、しゅーいちも"アルカディア・スパーク""時の法皇 ミラダンテXII""レインボー・スパーク"をマナセット、互いにタップインを処理する流れだ。


4ターン目に入ったてぃーやまは、少考した後に"音感の精霊龍 メラルー"をマナセットして、"デモンズ・ライト"で手札補充すると、しゅーいちも"ドラゴンズ・サイン"をマナセットして"レインボー・スパーク"で手札補充。


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更に次のターンも、お互いにマナセットから"コアクアンのおつかい"を打ち合う展開で、ここまで甲乙付けがたい動きだが、しゅーいちが放つ"コアクアンのおつかい"では水文明のカードが1枚見えたので、それは墓地に送られてしまう。


てぃーやまは"デモンズ・ライト"をタップインでマナセット後、"ドラゴンズ・サイン"を唱えて"真・龍覇 ヘブンズロージア"を場に送り出し、"龍魂城閣 レッドゥル"でスピードアタッカーを付与してから、G0"ミラクル・ストップ"を唱えてしゅーいちを縛りかかる。


そして"真・龍覇 ヘブンズロージア"をシールドへ向かわせると、"時の法皇 ミラダンテXII"に革命チェンジさせ、少考後、1ドローを選択する。


安全にトリプルブレイクを済ませたてぃーやまに対し、"ミラクル・ストップ"で行動を制限されたしゅーいちは、"コアクアンのおつかい"をマナセットして即ターンを終了した


ここで長考したてぃーやまは、"音感の精霊龍 メラルー"をマナセットした後、"真・龍覇 ヘブンズロージア"を召喚し、少考してから"龍魂城閣 レッドゥル"で自身をスピードアタッカーに指定。


シールドトリガーをケア出来ない状況なので、踏んだら仕方ないと割り切り、革命チェンジの宣言なしで"時の法皇 ミラダンテXII"でダブルブレイクを仕掛けるも、願い叶わず"ヘブンズ・ゲート"がトリガーしてしまう。


"ヘブンズ・ゲート"の効果で"龍精霊ウィズダムフェウス""時の秘術師 ミラクルスター"を場に出したしゅーいちは、まずは前者の効果で"レインボー・スパーク"を手札に加えると、そのまま唱え、てぃーやまの場にある"真・龍覇 ヘブンズロージア"をタップしつつ、手札を補充。


次に待機していた"時の秘術師 ミラクルスター"の効果で、更に手札を充実させる事に成功した。


しゅーいちのターンに移り、"ヘブンズ・ゲート"をマナセットから、"真・龍覇 ヘブンズロージア"を召喚し、効果で"天獄の正義 ヘブンズヘブン"を設置。


更にG0"ミラクル・ストップ"を放ち、"龍精霊ウィズダムフェウス"で、タップしている"真・龍覇 ヘブンズロージア"にアタック宣言から、"時の法皇 ミラダンテXII"に革命チェンジ。


効果で手札から"ドラゴンズ・サイン"を唱え、"静寂の精霊龍 カーネル"を送り出すと、"時の法皇 ミラダンテXII"を対象に指定しつつ、バトルを解決。


それでも、しゅーいちの猛攻は止まらない。"時の秘術師 ミラクルスター"をシールドに向かわせると、2枚目の"時の秘術師 ミラクルスター"に革命チェンジさせ、手札を回復させつつ"ミラクル・ストップ"までも手札に加わった。


ターン終了時に"天獄の正義 ヘブンズヘブン"の効果で、"音感の精霊龍 メラルー"を場に出すと、シールドを追加する効果のみ使用してターンを終えるが、てぃーやまのターンに移りドローフェイズを終えると、逆転出来ないと判断して即座に投了を宣言するのだった。


てぃーやま(×)vsしゅーいち()



てぃーやま「相手のおつかいでミラストが見えたから、突っ込むしかなかったなぁ」


しゅーいち「確かにそうですね」


"真・龍覇 ヘブンズロージア"のドラグハートを使用出来る利点から、サポートカードを多数採用し、"時の法皇 ミラダンテXII"をフィニッシャーに据えた、いわゆる"ロージアダンテ"デッキのミラーマッチだ。


相違があるとすれば、しゅーいちは光と水の2文明のみだが、てぃーやまは闇文明を加えた3文明を使用した形を使用している。


闇文明の差が、ゲームにどんな影響を与える事になるのだろうか。




2本目


負けた方が先行のルールなので、再度てぃーやまが先行。


"デモンズ・ライト""時の秘術師 ミラクルスター"をマナセットするてぃーやまに対し、

"アルカディア・スパーク""時の法皇 ミラダンテ"をマナセットするしゅーいちは、1本目同様に序盤はタップインを処理する流れだ。


続くてぃーやまは"裏切りの魔狼月下城"を、しゅーいちは"龍精霊ウィズダムフェウス"をマナセットして、お互いに"コアクアンのおつかい"を唱え、しっかり3枚手札を補充する事に成功した。


4ターン目はお互いにマナセットしたのみで、次に動いたのは、またもてぃーやま。


"裏切りの魔狼月下城"をマナセットして、"ドラゴンズ・サイン"を唱え、"真,龍覇 ヘブンズロージア"を召喚し、効果で"天獄の正義 ヘブンズヘブン"を設置する。そのままターン終了時に"音感の精霊龍 メラルー"を場に送り出し、シールドを加える効果、追加する効果どちらも使用した。


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じっくり構えたてぃーやまに応えるかのように、しゅーいちも"龍精霊ウィズダムフェウス"をマナセットしてから、"ドラゴンズ・サイン"から"真・龍覇 ヘブンズロージア""天獄の正義 ヘブンズヘブン"を場に出して、ターン終了時に"時の秘術師 ミラクルスター"を場に出して、手札を補充する事に成功。


1本目に続いて、まるで鏡打ちのような展開で、これがまさにミラーマッチと言えるであろう試合展開だ。


ここで大きく動くのは、やはりてぃーやま。マナセット後、お互いの"天獄の正義 ヘブンズヘブン"の効果で、光文明以外のマナコストが2つ分上がっているが、きっちり6マナを支払って、まずは"デモンズ・ライト"で手札を補充。


G0"ミラクル・ストップ"を唱え、"音感の精霊龍 メラルー"をアタックさせると、"時の法皇 ミラダンテXII"に革命チェンジしつつ効果で1ドロー。


安全にトリプルブレイクを終了させた後は、先ほど革命チェンジで手札に戻した"音感の精霊龍 メラルー""天獄の正義 ヘブンズ・ヘブン"で呼び出し、効果でシールドを1枚手札に加えようとすると、それが"テック団の破壊Go"だったのでそのまま唱えると、"時の秘術師 ミラクルスター"を破壊しつつ、残りの効果でシールドを追加してターンを終えた。


対するしゅーいちは怯む事もなく、"コアクアンのおつかい"をマナセットして、"真・龍覇 ヘブンズロージア""時の法皇 ミラダンテ"を攻撃対象に取ると、革命チェンジで"時の法皇 ミラダンテ"を送り出し、効果で1ドローした後にバトルで相殺となる。


ターン終了時に"天獄の正義 ヘブンズヘブン"の効果で、"静寂の精霊龍 カーネル"を呼び出し、効果で"真・龍覇 ヘブンズロージア"を指定した。


ターンを貰ったてぃーやまは、マナセットせず6マナを使いデモンズライトを唱え、手札が4枚あるので、"静寂の精霊龍 カーネル"を対象に取り破壊する。


ターン終了時には、"天獄の正義 ヘブンズヘブン"の効果で"時の秘術師 ミラクルスター"を場に出して、手札の充実を図る事に成功。


対するしゅーいちは、"真・龍覇 ヘブンズロージア"をマナセットしてから、"ヘブンズ・ゲート"を唱えて、音感の精霊龍 メラルー"と、"龍精霊ウィズダムフェウス"を場に追加する。


まずは"音感の精霊龍 メラルー"の効果を使用して、シールドを手札に加えつつ、シールドを追加した。更に"龍精霊ウィズダムフェウス"の効果で、"アルカディア・スパーク"を手札に加えて即唱えると、てぃーやまの"時の秘術師 ミラクルスター"は山札に戻ってしまった。


ターン終了時には"天獄の正義 ヘブンズヘブン"の効果で、"静寂の精霊龍 カーネル"を追加し、またも効果で"真・龍覇 ヘブンズロージア"を指定した。


"コアクアンのおつかい"をマナセットしたてぃーやまも、負けじと"ミラクル・ストップ"G0で唱え、"デモンズ・ライト"で手札を補充しつつ、しゅーいちの"龍精霊ウィズダムフェウス"を破壊する。


お返しと言わんばかりに、"天獄の正義 ヘブンズヘブン"の効果で"静寂の精霊龍 カーネル"を場に出して、"音感の精霊龍 メラルー"を対象に取る。


ここでも冷静なしゅーいちは、"レインボー・スパーク"をマナセットして、"真・龍覇 ヘブンズロージア"を召喚し、"真聖教会 エンドレス・ヘヴン"を設置。


そして、ターン終了時に"天獄の正義 ヘブンズヘブン"の効果で"音感の精霊龍 メラルー"を呼び出すと、効果でシールドを追加してターンを返す。


てぃーやまはマナチャージ後、"真・龍覇 ヘブンズロージア"を召喚し、こちらも"真聖教会 エンドレス・ヘヴン"を設置。


"天獄の正義 ヘブンズヘブン"の効果で"静寂の精霊龍 カーネル"を場に出して、"真・龍覇 ヘブンズロージア"を対象に指定。そして、てぃーやまの"真聖教会 エンドレス・ヘヴン"が、"真・天命王 ネバーエンド"へと龍解し、姿を変えたのだ。


しゅーいちのターンに移ると、"天獄の正義 ヘブンズヘブン"が龍解し、"天命讃歌 ネバーラスト"へと姿を変える。


厳密に言えば違うが、ほぼ同タイミングでドラグフォートレスを龍解させた状況は、まさにゲームも終盤に近いと感じる。


しゅーいちはマナセットを済ませた後、まずは"レインボー・スパーク"を唱え、てぃーやまの"音感の精霊龍 メラルー""静寂の精霊龍 カーネル"をタップさせつつ、手札を補充。


そしてG0"ミラクル・ストップ"を放ち、"音感の精霊龍 メラルー"を通常召喚して、効果で回収したシールドは"レインボー・スパーク"であり、即唱えて、"静寂の精霊龍 カーネル""真・天命王 ネバーエンド"をタップした。


しゅーいちは"天命讃歌 ネバーエンド"の、「自分の光のクリーチャーは、全てのバトルに勝つ」効果を利用する事で、タップさせたクリーチャーにアタックを仕掛けた結果、全て捌く事に成功したのである。


これが決定打となった。

逆転不能となったてぃーやまに対し、2ターン後には見事ダイレクトアタックを決める、しゅーいちの姿を確認出来たのだった。


てぃーやま(××)vsしゅーいち(○○)


ミラーマッチとは言ったものの、闇を採用した分、てぃーやまのデッキは圧迫されていた印象だ。


対するしゅーいちは光水の2文明のみの使用であり、"レインボー・スパーク"や、"龍精霊ウィズダムフェウス"で小回りを利かせる事が出来るし、"ヘブンズ・ゲート"から一気に展開する事も出来る分、この時点で多少しゅーいちに分があるかも知れない。


とは言え、ただそれだけでゲームが決まる訳ではない。


コントロールのミラーマッチは、特にプレイの理解度が顕著に現れと思っていて、てぃーやまは大会前日にデッキを組み、そのまま使用してみたという。


対するしゅーいちは、プレイ速度も比較的早く、冷静に的確なプレイを行なった事から調整量が裏付けされているので、てぃーやまから足元をすくわれる事がなかったと言える。


しゅーいち「このマッチアップだと、裏切りが使えないのが痛いですよね。解体なら使えますけど」


てぃーやま「裏切りの方が強そうだったので、こっちにしてみましたけど、そのデッキ相手だと腐りますね」


しゅーいち「採用されている闇のカードで言えば、デモンズライトは強いですよね。光水のデモンズが欲しい(笑)」


感想戦も、熱い勝負を終えた後の醍醐味だろう。最適な選択やプレイが出来ていたかどうか振り返る事により、次へ繋げる事が可能となる。特に今回は、45分の制限時間を丸々使い、エクストラターンまでもつれ込んだくらい長い試合だったのである。


そんな2人も、最後には声を揃ってこう言った。

「もう、このミラーマッチやりたくない(笑)」




Writer:ミキプル